弟子に教える大人のピアノ♪

大人になってピアノを始めたお友達に教える音大付属中高出身者の音楽講座

大人のピアノでは楽譜を譜面通りなんて弾かなくていい

ポピュラーピアノを弾く時に、ピアノの譜面台に譜面を立てて、一生懸命その通りに練習しようとする方が多いと思います。

 

もちろんそれでもいいのですが、クラシックの曲と違ってポピュラー曲の場合には必ずしも譜面通り弾かなくてもいいのです。

 

というか、私は私のピアノのお弟子さん(もう10年以上のお付き合い)にピアノを教える時に譜面通り弾かなくていいよ、場合によっては「弾いちゃだめよ」と言っています。

 

それよりもっと大切なのは、曲を単純化してそのエッセンスだけを取り出す練習です。

例えばこの曲、素敵な曲ですよね。

 

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旋律は覚えられるけど左手の伴奏が上手くできない。または覚えられないという人はけっこう多いと思います。旋律はカラオケが歌えれば、多分暗譜はできちゃうわけなので、メロディーは覚えることはできるという人は多いですよね。

 

じゃあ、左手なんですが、これを指一本で弾けるまで単純化してしまえばいいのです。

 

例えばこの最初の。ふるいアルバムめくりーの部分ですが、これは和音で弾かなくても、いえ、和音で弾くよりも人差し指一本で弾いたほうが、感じが出ます。

 

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 分数和音になってますが、そこは気にしない。あ!なんだこれちなみにこのBonDってBb on Dが正しくて単純に間違ってるじゃないか(笑)。このように、印刷された楽譜でも間違っている場合があるので、そういうときは自分の耳を信用しましょう。耳コピのコツについてはまた別の記事にしますね。

 

 これは和音を弾かずに、左手人差し指一本でファミレドと降りてきて下さい。それで、和音を弾くよりも脳天直撃でこの曲らしさが出ます。

 

 F →ConE→ BbonD→ F ですが、この楽譜では3和音になってますが、これをまずは無視しましょう。これはF F Bb Fというのがもともとの原型です。最初のFはそのまんなのファラドのFのコードで最初のファ。次のEのですが、これはファラドミ(Fのメジャーセブンスコードのミ)です。次は、Fの下属和音の(Fから4つめのBb)の2番めの音をルートにした第2転回型のです(シレファラの2番めの音)。そして最後のですが、これはFのコードの三番目の音(ファラドのド)。

 

 これを抜き出すとファミレドというまるで階段を降りるようなゆったりとした、日本人好みのベースラインができあがります。

 

 ピアノやキーボードがある人はぜひ、左手人差し指一本でそれを弾いてみて下さい。ドンピシャリで伴奏が出来てしまっていることに驚くと思います。

 

 この和音構成がわかった上で、そこに他の和音を足していくのはいいです。

 

 でも大切なのは!これを極限まで単純化すると、左手人差し指一本で弾けるファミレドになっているということです。これがしっくりこないうちに譜面通り弾いてもまったく楽しくないですし、弾いてもすぐに忘れます。

 

 でも、このファミレドを十分楽しんだら、ぜったいに一生このコード進行は忘れません。

 

 譜面通りに弾くということは、日本のクラシック音楽教育の悪しき習慣です。本来はクラシック音楽ピアノ曲であっても、まずは頭の中でそのエッセンスを単純化する編曲の練習をするべきだと私は思っています。

 

 こういう訓練が、世の中のピアノの先生はまったくできていないので、サルみたいに譜面通りは弾けても、人の心を打つような演奏ができないのです。そして、ジャズの人がやっているような即興演奏がまったくできない。

 

 ショパンモーツアルトベートーヴェンも即興演奏の達人でした。でも、ただ弾くだけのクラシックの先生はまったくそれができません。そういう先生に習っていると、ほんと音楽がつまらなくなります。

 

 ぜひ、ポピュラーピアノで好きな曲を弾きたい!と思う方は、譜面通り弾くのではなく、その曲のエッセンスを取り出して単純化して弾くということをマスターしてみましょう。

 

 これは子供にはなかなか難しいです。

 でも大人のピアノを始めようというあなたにとっては、これは6歳からピアノをやっている子供よりも遥かにアドバンテージがあります。

 

 ぜひ、曲を単純化してエッセンスを取り出す練習を大人のピアノに取り入れてみてくださいね。

 

 こんな感じで、また記事を書いていきます。

 

 どうぞよろしくお願いいたします。