弟子に教える大人のピアノ♪

大人になってピアノを始めたお友達に教える音大付属中高出身者の音楽講座

ピアノ経験ない人でも譜面を暗記(暗譜)する方法

 前回こちらの記事で、複雑なコードを譜面通り弾かなくてもいい。もっと大切なのは、複雑に見える譜面を単純化することだと書きました。

 

mikochanyuka.hatenablog.com

 

 そのための方法を書きますね。

 

 まず、譜面を見た時にその譜面をそのまま弾くのはもうやめましょう。これを読んでらっしゃる方の中にも、経験のある人がいると思います。せっかく弾けるようになったはずなのに、1ヶ月たつともう忘れていて弾けなくなっている。

 

 これはどうしてなのでしょうか。

 

 これは、その譜面の理屈が分かっていないからです。ああ、この作曲者はこういう意図でこの曲を作ったんだなって、その部分が分かれば、その記憶は強烈に脳に定着します。

 反対にその理屈が分からないで、ただ、譜面を一生懸命見て弾いても、その時は弾けても、あとからすぐに弾けなくなってしまいます。

 

 この理屈をつけて覚えるためには、まず、譜面に自分で手書きでコードを足すことです。

 

 例えば有名なクラシック曲のアヴェ・マリア

 

www.youtube.com

 

 譜面は旋律だけだとこんな感じです。

 

コード進行が書いていない譜面

 これに、こんな風にコード進行を自分の耳を使って書き込みましょう。

 

赤字のコード進行を書き込んで把握する

 これがどういう理屈でこういう感じになっているのかは、次回説明しますね。まずは鉄則として!まっさらの譜面で弾いてもすぐに忘れてしまいます。必ずコード進行を書き込んで、今自分は何のコードを弾いているのかというのを必ず意識しましょう。

 

 これは、大人のピアノを始める人のすごいアドバンテージです。子供にはそういうことはなかなか難しいです。大人だからこそ、こういう作業ができます。

 

 耳コピのやりかたも、別記事でいずれじっくり書く予定ですが、今現在耳コピがまだ出来ない人は(必ずできるようになります)、このようなコード進行が書いてある楽譜を買うようにしましょう。

 

 これは鉄則です。

 真っ白なコード進行の書いていない楽譜で大人のピアノをやると、上達のスピードが20年は違ってきます。

 

 ではまた次回♪

 

大人のピアノ応援!大人から始めた方がJAZZピアノは弾けるようになります

 みなさんはジャズはお好きですか?(^-^)

 ポピュラーが好きな人はおしゃれなジャズも大好きという人も多いですよね。

 

 でも、ジャズってクラシックでは出てこないような複雑なコードがいっぱいで、いったいあれどうやって、覚えるんだろう……、いやいや覚えるどころか即興でどんどん瞬間的にアレンジしちゃってる……。いったい頭の中どうなってんだろう……、俺には無理だ。

 

 となってしまう人も多いです。

 

www.youtube.com

こんな風にJAZZはかなり複雑なコードがいっぱい

 

 今日はジャズピアニストの頭の中がどうなっているのか、から話を始めますね。

 

 どんなに複雑な曲であっても、それが一時期流行したフリージャズというジャンルであったとしても、そして、クラシックで言えばシェーンベルクのような12音技法の音楽であったとしても、曲というものは主要三和音に還元することが出来ます。

 

この3つの要素に単純化出来ます

 例えば譜面を見て曲の中に30種類のコードが散りばめられていても、それは、上の3つのどれかのバリエーションに必ずなっています。言い換えれば、編曲してたった3つのコードしか使わない形に単純化できるのです。

 

 ドレミファソラシドの最初の1音目から始まるドミソ

 ドレミファソラシドの4番目の音から始まるファラド

 ドレミファソラシドの5番目の音から始まるソシレ

 

 どんなに複雑なコードであっても必ずこの3つに単純化出来ます。

 

 ☆大切なのは、難しいコードがいっぱい書いてある曲をそのまま一生懸命譜面を見て覚えるのではなく、譜面を頭の中で逆編曲(編曲と言うと一般的には元の曲を複雑にするわけですが逆に単純化する)すれば、その曲がどういう成り立ちなのかが分かります。

 

 ジャズピアニストは、まずその曲を極限的に頭の中で単純化します。そして、単純化されたたった3つの和音を再度、理論に従って味付けする。

 これがジャズピアニストの頭の中です。

 この順番でやれば、即興でどのようなアレンジでも出来ます。曲の単純化が頭の中で出来ていないのに、複雑なコードをいくら暗記しても、ある日突然複雑なコードを伴った即興演奏ができるようには絶対になりません。

 

 クラシックでピアノをずっとやってきた人は、譜面をその通りに弾く練習しかやってきていないので、この単純化の作業を頭の中でやりません。耳コピされて出版された譜面を見てその通り弾くことは出来てしまうので、この単純化作業の大切さに気が付かないのです。

 

 クラシックで譜面通りかなり難しい曲が弾ける人が、単純な即興演奏すらできない、というのは当たり前のようによく見かける光景です。

 

 ぜひ大人になってピアノを始めた人は、6歳からやっている人には敵わない、などと思わずに、曲の単純化ということの大切さを頭に置きながら練習してみましょう。

 

 6歳からピアノを弾いている人が弾けないジャズピアノ。40歳からでも50歳からでも必ず弾けるようになりますよ!

大人のピアノでは楽譜を譜面通りなんて弾かなくていい

ポピュラーピアノを弾く時に、ピアノの譜面台に譜面を立てて、一生懸命その通りに練習しようとする方が多いと思います。

 

もちろんそれでもいいのですが、クラシックの曲と違ってポピュラー曲の場合には必ずしも譜面通り弾かなくてもいいのです。

 

というか、私は私のピアノのお弟子さん(もう10年以上のお付き合い)にピアノを教える時に譜面通り弾かなくていいよ、場合によっては「弾いちゃだめよ」と言っています。

 

それよりもっと大切なのは、曲を単純化してそのエッセンスだけを取り出す練習です。

例えばこの曲、素敵な曲ですよね。

 

www.youtube.com

 

旋律は覚えられるけど左手の伴奏が上手くできない。または覚えられないという人はけっこう多いと思います。旋律はカラオケが歌えれば、多分暗譜はできちゃうわけなので、メロディーは覚えることはできるという人は多いですよね。

 

じゃあ、左手なんですが、これを指一本で弾けるまで単純化してしまえばいいのです。

 

例えばこの最初の。ふるいアルバムめくりーの部分ですが、これは和音で弾かなくても、いえ、和音で弾くよりも人差し指一本で弾いたほうが、感じが出ます。

 

「涙そうそう」-(ピアノソロ初級編)(BEGIN)の楽譜【無料】 | TuneGate.me

 分数和音になってますが、そこは気にしない。あ!なんだこれちなみにこのBonDってBb on Dが正しくて単純に間違ってるじゃないか(笑)。このように、印刷された楽譜でも間違っている場合があるので、そういうときは自分の耳を信用しましょう。耳コピのコツについてはまた別の記事にしますね。

 

 これは和音を弾かずに、左手人差し指一本でファミレドと降りてきて下さい。それで、和音を弾くよりも脳天直撃でこの曲らしさが出ます。

 

 F →ConE→ BbonD→ F ですが、この楽譜では3和音になってますが、これをまずは無視しましょう。これはF F Bb Fというのがもともとの原型です。最初のFはそのまんなのファラドのFのコードで最初のファ。次のEのですが、これはファラドミ(Fのメジャーセブンスコードのミ)です。次は、Fの下属和音の(Fから4つめのBb)の2番めの音をルートにした第2転回型のです(シレファラの2番めの音)。そして最後のですが、これはFのコードの三番目の音(ファラドのド)。

 

 これを抜き出すとファミレドというまるで階段を降りるようなゆったりとした、日本人好みのベースラインができあがります。

 

 ピアノやキーボードがある人はぜひ、左手人差し指一本でそれを弾いてみて下さい。ドンピシャリで伴奏が出来てしまっていることに驚くと思います。

 

 この和音構成がわかった上で、そこに他の和音を足していくのはいいです。

 

 でも大切なのは!これを極限まで単純化すると、左手人差し指一本で弾けるファミレドになっているということです。これがしっくりこないうちに譜面通り弾いてもまったく楽しくないですし、弾いてもすぐに忘れます。

 

 でも、このファミレドを十分楽しんだら、ぜったいに一生このコード進行は忘れません。

 

 譜面通りに弾くということは、日本のクラシック音楽教育の悪しき習慣です。本来はクラシック音楽ピアノ曲であっても、まずは頭の中でそのエッセンスを単純化する編曲の練習をするべきだと私は思っています。

 

 こういう訓練が、世の中のピアノの先生はまったくできていないので、サルみたいに譜面通りは弾けても、人の心を打つような演奏ができないのです。そして、ジャズの人がやっているような即興演奏がまったくできない。

 

 ショパンモーツアルトベートーヴェンも即興演奏の達人でした。でも、ただ弾くだけのクラシックの先生はまったくそれができません。そういう先生に習っていると、ほんと音楽がつまらなくなります。

 

 ぜひ、ポピュラーピアノで好きな曲を弾きたい!と思う方は、譜面通り弾くのではなく、その曲のエッセンスを取り出して単純化して弾くということをマスターしてみましょう。

 

 これは子供にはなかなか難しいです。

 でも大人のピアノを始めようというあなたにとっては、これは6歳からピアノをやっている子供よりも遥かにアドバンテージがあります。

 

 ぜひ、曲を単純化してエッセンスを取り出す練習を大人のピアノに取り入れてみてくださいね。

 

 こんな感じで、また記事を書いていきます。

 

 どうぞよろしくお願いいたします。